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小売世界第3位、英テスコの挑戦――消費減退のアメリカ小売各社(2)
イギリス小売業国内最大手のテスコ。アメリカ・ウォルマート、フランス・カルフールに次いで世界第3位の売上高を誇る。
金融危機でも業績は好調、テスコ
そのテスコ・グループの業績が好調だ。最新の四半期業績報告によると、世界的な景気悪化の中、11月22日までの13週間で見たグループ全体の総売上高は、前年同期に比べて11.7%増加している。
国内既存店ベースの売上高は2%と伸び悩んだものの、海外事業の売上高が28.1%もの伸びを示している。海外事業は今、絶好調だ。特に貢献しているのはアジア地域で、29.4%の伸びを見せた。
テスコは、世界10数ヶ国でハイパーマーケット、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど小売業を中心に展開している企業だ。しかしその業態は小売業にとどまらない。金融、電気通信、ガソリンスタンド、通信販売など幅広く手掛けている。
日本への進出は約5年前、2003年にシートゥーネットワーク社を買収し参入を果たしている。店舗はテスコ・グループ子会社のテスコジャパンが「つるかめランド」を中心として運営しており、その店舗の大半は東京環状内側に立地している。
その後は、東京近郊の加工食品を専門とするディスカウント・スーパーマーケット事業者を中心に買収し、事業をさらに拡大していった。
2007年11月アメリカ進出、ウォルマートの応戦
テスコがアメリカ小売市場への参入を果たしたのは、わずか1年ほど前の2007年11月のことだ。カリフォルニア州、ネバダ州、アリゾナ州で、店舗面積1万平方フィート(約281坪)のコンビニエンスストア・チェーン「フレッシュ&イージー」を展開したのが始まりとなる。
それを機に、アメリカ国内小売最大手、世界最大の売上高を誇るウォルマート・ストアーズは、守勢に立たされることになった。
ウォルマートは2008年10月、テスコが進出を果たしたアリゾナ州フェニックス近郊で、店舗面積300坪〜450坪の「マーケットサイド」をオープンした。ウォルマートは10年ぶりに新コンセプトの店舗形態を採用し、テスコに応戦することになった。
テスコの売上高は、イギリス国内では長期にわたりウォルマート傘下のディスカウントチェーン「アズダ」を上回っている。イギリス国内に占めるテスコの市場シェアは34%で、アズダのほぼ倍に相当する。ウォルマートがテスコを意識するのも、当然のことと言えよう。
テスコの強みは多彩なフォーマットと自社ブランド
テスコの強みは、その多彩な店舗フォーマット(戦略的な店舗経営形態)と売上高の60%を占める自社ブランドにある。
テスコは、グループ内のデータ収集を担当する企業ダンハンビーを活用し、店舗形態の設計からレイアウト、自社ブランド商品や販売プロモーション開発に至るまで、事業管理を行っている。
テスコが多様な形態の店舗運営に成功しているのは、こうしたデータの活用による消費者ニーズの的確な把握があるからだ。
とはいっても、金融危機の影響でテスコのアメリカ進出は、フレッシュ&イージーの新規出店ペースを当初計画から50店舗縮小するなど苦戦を強いられている。10ヶ月遅れのペースで、2009年11月末までに200店舗を目指すと修正した。
消費意欲の減退するアメリカ小売市場で、今後テスコがどう切り崩していくか、注目したいところだ。
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