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金融危機の下、どうなる中国経済
2003年12月以来5年ぶりに減少に転じた外貨準備高。中国の外貨準備高は、2006年2月に日本を抜いて以降、世界一の規模を維持し続け、2008年9月末には1兆9,056億ドルに達した。
減少に転じた外貨準備高、貿易黒字は過去最高
2008年9月には前年同期比32.92%の増加だった外貨準備高は、10月末では、前月末から約155億ドル少ない1兆8,900億ドル以下にとどまった。
中国の外貨準備高は、これまで人民元高を背景とした「熱銭」(ホットマネー)と呼ばれる短期投機資金によって、国内に資金が流れ込むという状況が続いてきた。が、2008年7月頃から人民元の上昇が止まったため、短期投機資金が国外へ流出し始めたことが外貨準備高の減少につながったとされている。
一方中国の貿易黒字は、2008年10月には352億4,000万ドル、11月には400億9,000万ドルに達し、2ヶ月連続で過去最高を更新している。しかし海外からの直接投資(FDI)増加率は減少しており、実質で10月は67億2,200万ドル、11月は53億2,200万ドルにとどまっている。
一般に外貨準備高の増減は、その国の貿易黒字と海外資金の流出入、為替市場への介入額で決定される。中国の場合、外貨売り(自国通貨買い)のような介入が実施されることは考えにくく、貿易黒字が拡大する一方で外貨準備高が減少することは、海外資金流出と推察される。
マクロ経済政策の方向転換
中国経済は当初、金融危機の影響をそれほど受けないと見られていた。しかし、2008年第3四半期の経済成長率は2007年の11.9%から9.0%に急落し、第4四半期は8.0%台に落ち込むのは必至と見られる。
中国が国内の雇用を維持するためには、8%以上の経済成長が必要と言われている。高成長がストップし、中国の雇用環境が悪化するようなことになれば、中国内の社会情勢も不安定になるだろう。今回の景気減速によって、すでに2,100万人もの出稼ぎ労働者が職を失ったといわれている。
世界的な景気悪化の環境の下で、中国の社会情勢が不安定になることは、中国だけでなく世界各国にとってマイナスとなることは必至だ。
中国は、経済成長を維持し世界的同時不況の悪影響を避けるため、7月から従来の引き締め政策を緩和してきた。そして10月の経済情勢悪化を受け、雇用維持、社会安定を重視し、11月から景気対策を本格化している。マクロ経済政策を積極的財政出動、適度な金融緩和政策へと転換し、4兆元(約57兆円)の内需拡大10項目を11月に発表した。
中国経済の減速は金融危機の影響か
1997年のアジア通貨危機の際、アジア諸国の通貨が暴落し、経済成長が大きく落ち込んだ当時、中国は金融市場を開放しなかったことで通貨危機を逃れた。
そして2001年12月、中国は世界貿易機関(WTO)へ加盟、市場を開放することとなった。中国市場の開放を背景に、中国経済は急速にグローバル化し成長を続けてきた。
今回の金融危機が起きた後も、中国経済は依然成長を続けている。前年に比べると成長率は減速しているが、金融危機の影響ではなく、国内の景気循環と政策運営の失敗によるものと言えるだろう。5年間続いた2桁成長も、ようやく調整期に入ったと見ることができる。
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