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景気後退、消費意欲減退、売上低迷、資金繰りを圧迫する要因

2008年後半は、金融危機から実体経済が悪化し、景気後退から消費者の購買意欲は減退し、各企業の売上は低迷した。大企業でさえ業績の下方修正を迫られる状況では、中小企業を取り巻く環境は、なお厳しいものだ。


中小企業の資金繰りは厳しさを増すばかり

世界的な景気低迷から、日本の中小企業も資金繰りが悪化する傾向が見られる。ビッグ3やGMACの話は、対岸の火事ではなくなっている。

中小企業は、大企業と比べると運転資金をはじめとするキャッシュを借入に依存している傾向が強い。このことから、中小企業の資金繰りは、金融機関の貸出態度に大きく影響を受けるといえよう。

金融機関の貸出スタンスがますます厳格化される昨今、中小企業の資金繰りは、信用収縮の動向をも注視することが必要であろう。

企業の資金繰りは、2007年夏以降金融危機が表面化するに伴い、徐々に厳しさを増してきた。とくに中小企業で顕著だ。

日銀短観の資金繰り判断D.I.や金融機関の貸出態度判断D.I.を見ると、サブプライムローン問題が表面化した2007年以降、2008年は厳しい状況が続いていることがよく分かる。

資金繰り判断DI(全産業)
2007/122008/32008/62008/92008/12変化幅
大企業201818157△ 13
中堅企業8773△ 2△ 10
中小企業△ 3△ 7△ 8△ 11△ 15△ 12
全規模合計6220△ 6△ 12
※(「楽である」−「苦しい」・%ポイント)

金融機関の貸出態度判断DI(全産業)
2007/122008/32008/62008/92008/12変化幅
大企業23191713△ 4△ 27
中堅企業1412117△ 1△ 15
中小企業752△ 3△ 9△ 16
全規模合計131083△ 6△ 19
※(「緩い」−「厳しい」・%ポイント)


中小企業は手元流動性を下げられない

大企業がバブル崩壊後の90年代以降、一貫して手元流動性比率を低下させてきたのに対して、中小企業の手元流動性比率は、ほぼ一定の比率を維持している。

この現象は、大企業が資産運用を効率的にこなしていることから現れたといえるだろう。資金繰りに影響のない範囲で極力手持ちの現預金を減らすことは、機会損失を減らすことにつながり、またROA(総資産利益率)を高めることになるため、余裕資金は運用にまわしているからだ。

またコミットメントラインの発達も、大企業の手元流動性比率を低下させることに一役買っている。

これに対して中小企業では、コミットメントラインの利用に制約がある場合があり、業績低迷時等に資金調達ができないことを考慮して、現預金等手元流動性を厚く持っておくということが考えられる。今後はこの傾向が、ますます強くなるだろう。


資金繰りの悪化要因は売上の低迷

現在、資金繰りが厳しい状況にある企業では、その悪化要因を「売上の低迷」としているところが多い。また「仕入コストの増大」や「金融機関の貸し渋り現象」「売掛金の回収困難」「取引先の倒産」などが挙げられる。

景気後退から消費意欲は減退、それに伴い企業の売上は低迷する。一方では原材料のコスト高から仕入コストは上昇する。取引先が倒産してしまっては、売掛金回収もままならないだろう。

おまけに信用収縮から金融機関の貸し渋りが顕在化し始めている。2008年8月以降年末にかけて多くの企業で資金繰りが厳しくなっているが、この傾向は、2009年も続きそうだ。

特に中小企業や「建設」「不動産」「小売」「卸売」「製造」などの業界では、危機感を強めている。


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