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裁判員候補者へ通知発送、国民の混乱
11月28日、裁判員の候補者全国で約295,000人へ向けて、通知が発送された。29日以降順次、裁判員候補者の手元には大きな封筒が届いているはずだ。
最高裁判所は、候補者からの問い合わせを受けるためにコールセンターを設けているが、通知到着初日だけですでに約870件の問い合わせがが寄せられている。その多くは「どんな場合に裁判員を辞退できるか」というものだ。
裁判員の選ばれ方
裁判員制度ではまず、その候補者を1年に一度無作為に選び、翌年の裁判員候補者名簿を作成する。毎年12月頃までに行われる。
名簿に記載された候補者についしては通知が発送され、裁判員候補に選ばれたことを知らせると同時に、調査票を回収、就職禁止事由や客観的な辞退事由に該当しているかを確認する。調査票の回答しだいでは、裁判員候補者名簿から除外される。
裁判員の招集が必要な事件(刑事事件)ごとに候補者名簿の中から抽選を行い、裁判の6週間前までに質問票を同封した呼出状を発送する。質問票の回答により辞退が認められる場合には、当該裁判の裁判員から除外されることになる。
裁判員候補者のうち辞退を希望しなかったり、質問票の記載のみからでは辞退が認められなかった場合、選任手続の当日、裁判所へ行くことになる。裁判所では面接(不公平な裁判をするおそれの有無、辞退希望の有無・理由などについて質問)を経て、最終的に6人裁判員が選任されることになる。
午前中に選任手続きをし、午後から審議に入ることになるが、この段階ではじめて、裁判員として裁判に出廷することになる。
周知されない裁判員制度
今回通知を受け取ったからと言って、すぐに裁判所へ出向く必要もなく、また裁判員になったわけでもない。あくまでその可能性がある候補者だ。
しかしコールセンターの状況を見る限り、通知を受け取った候補者は混乱していると言えるだろう。週明けの12月1日以降も問い合わせは増加するとみられる。
ひとつには、裁判員制度と言うものが、国民の間に周知されていないと言うこと。最高裁判所は裁判員制度についてホームページでも紹介している。テレビコマーシャルも放映された。マスコミでも特集として取り上げられることが多い。
しかし日本国民にとっては、裁判そのものが馴染みのないものだ。知っていることと言えば、映画やドラマなどで見る悲惨な状況。そんな状態では、裁判員制度には見向きもしないだろう。
司法改革として、分かりやすく迅速な裁判の実現が図られてきたはずだ。しかし国民にとっては、何一つわかりやすくなったものも迅速になったものもない。裁判員候補に選ばれることで、「余計な心配事」が増えただけだ。こんな状態で裁判員制度をスタートさせて、果たしてうまくいくのだろうか。
司法改革は急ぎすぎていないか
裁判員制度の影であまり注目されていないが、12月1日より被害者参加制度が導入され、また15日には改正少年法が施行される。司法改革の一環だ。
被害者参加制度は、事件の被害者や遺族が刑事裁判に参加し、被告への直接質問などができる制度だ。これに伴い、これまで原則非公開だった少年審判が、改正少年法の元でケースによっては被害者の傍聴が認められることとなる。被害者支援策の一つと言える。
裁判員制度では、当然法律知識の少ない候補者の中からも選ばれることが考えられるが、被害者参加制度と合わせて考えてみると、感情に流された判決が出てしまわないだろうか。
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