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運用含み損から減益、生保は金融危機の直撃
主要生命保険12社の2008年度上半期(4〜9月)の業績報告が出そろった。株式会社の中間決算に相当する。
金融危機による株価の急落で、保有する有価証券など資産運用に関する損失が12社合計で約5倍に膨らみ、経常利益を圧迫した。
9社が減益、3社が経常赤字
本業の儲けにあたる基礎利益(一般企業では「営業利益」にほぼ該当)は、市場の混乱で配当収入が落ち込み、三井生命保険が前年同期比で82.9%の大幅減となるなど9社が減益、12社の合計では1兆545億円、17.4%減となった。
業界トップの日本生命保険は前年同期比11.8%減の2,825億円に落ち込むなど多くの生保が2桁減益となった。
一方で一般企業の売上高に該当する保険料等収入は、昨年が保険金不払い問題で大きく落ち込んだだけに、その反動で増加した生保が多い。
少子高齢化の影響で主力商品の死亡保障保険が不調だった他、収益を牽引してきた一時払い個人年金保険も販売が停滞したことに加え、金融危機の影響から資産運用収益も悪化したというわけだ。
金融危機の影響で運用資産が含み損
運用資産の含み損は、機関投資家でもある生命保険に大きな打撃を与えた。
公的資金による支援を受けアメリカ政府管理下に置かれたAIG傘下のアリコジャパンをはじめ、三井生命保険、アクサ生命保険の3社は、経常赤字にまで追い込まれている。
アリコジャパンは、AIG株式の評価損が2,235億円となったため、経常損益は2,278億円の大幅赤字を計上し、最終(当期)損益でも1,410億円の赤字となった。上半期業績を公表し始めて以来、初めての赤字だ。三井生命保険は126億円の経常赤字、アクサ生命保険は539億円の経常赤字となっている。
10月以降も資産の評価額は下落し続けており、世界的金融危機が生命保険の財務体質を悪化させていることは明らかだ。
ソルベンシーマージン比率悪化、早期の対策
ソルベンシーマージン比率は財務内容の健全性を示す指標だ。生保12社すべてが前年同期より低下してしまった。株価は10月以降さらに下落しており、財務内容は一段と悪化していくことだろう。
株価暴落など不測の事態に、保険金を支払う余力がどれだけあるかを示すソルベンシーマージン比率だが、有価証券等運用資産の含み損で自己資本比率が低下していることは明らかで、今後保険金の支払余力を保てるのか懸念されるところだ。
通常ソルベンシーマージン比率が200%を下回ると、金融庁から早期是正措置が発動され、抜本的な経営改善を迫られる。
三井生命保険のソルベンシーマージン比率は、前年同期末877.6%から2008年9月末637.9%にまで落ち込み、12社中最低水準となった。三井生命保険に次いで朝日生命保険は734.7%から643.8%と低水準に、巨額の経常赤字を計上したアリコジャパンは、1008.0%から700.1%へと落ち込んだ。
3社とも健全性の基準である"200%"を上回っているが、アリコジャパンは526億円、三井生命保険は500億円、朝日生命保険は350億円の資本(基金)増強を発表している。
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